見えそうで見えない現実

老子の言葉に「寸を進まずして尺を退く」という教えがある。
こちらが押せば、相手も押し返してくる。
こちらが攻めようとすれば、相手も攻め返してくる。
敢えて攻め手とならず、受けてとなり無理して僅か「一寸」前進する事よりも、はっきりと退いた事がわかるよう「一尺」は下がりなさいと。争いをせず問題を解決する。
そんな思想に引き寄せられた僕は、この事を今の自分と世の中に置き換えて考えてみた。

何故に一年間に100万トンもの洋服が捨てられるのか?率直に言うと"金"である。
カッコよく言うと経済の為。
つまり洋服を企画、作る人達が "金"を目当てに、もっともっととなり、安くて、便利、着やすい、合わせやすい = 100万トン。
そんな現実を、否定するつもりも無いし、批判する気も無い。
ただ、目の前にある現実を受け入れその捨てられた洋服達を、もう一度洋服として、時には全く別なモノとして蘇らせる。
それは、けして安くも無く、便利でも、着やすくも、合わせやすい服やモノでは無い。
ただ"金"の為だけでは無く、モノを創る人間として、使命感を感じながら1つ1つに愛着を持って創っている。
それが正解だとか間違っているとかではない。

今の現実から考えて今までとは真逆の事をやらなければ環境問題なんて語れたもんじゃない。
まずは自分の出来る範囲で、出来る事から。


little vintage 原田 真助